『えっ、インドに転勤!???』

突然の辞令に頭真っ白、パニックになった方も多いのではないかと思います。

ここでは、『インドで暮らすとはどういうことか』『インドで子育てするとはどういうことか』私個人の主観たっぷりとなりますが考えてみたいと思います。

 

①気候・環境面

デリーでは4月中旬ごろからぐんぐんと気温が上がり、5月6月は酷暑期と呼ばれます。最高気温が40℃を超える毎日。外に出ると熱風を感じます。ただ、暑さはエアコン、フル稼働で問題なくしのげます。車もドライバーさんが車を冷やしておいてくれたところでドア to ドアで乗り込み、冷房全開のモールに涼みにいったり・・・・。長時間の停電にならないことを祈るばかりです。

暑さが少し落ち着いてくると(暑すぎる頃は、蚊すら生きていけないようです)、デング熱に感染しないか心配になってきます。この対策は『蚊に刺されないようにすること』ただ、これだけです。やはり高性能な日本の蚊よけグッズを利用し、また、外出する時は長袖長ズボンでとりあえず蚊に刺されないように自衛すれば大丈夫です。そしてよく食べ、よく寝て免疫力をあげておくことが何よりのようです。デングをもった蚊に刺されても75%は発症しないとか・・・・。発症するかしないかは各自が持っている免疫力によると聞きました。(→『デングに注意!!!』参照)

ようやく涼しくなった頃(10月から11月のディワリの後)、深刻になってくるのが大気汚染です。ニューデリーのPM2.5の値は中国を余裕で超え、世界ワースト1だそうです。室内では空気清浄器をフル稼働、外出する時はPM2.5に対応した高機能のマスクをしっかりとつけ、自己防衛しましょう。

以上のように気候や生活環境は決して恵まれているとはいいがたいです。特に子どもたちの外遊びできる機会は限られており、運動不足になることは否定できません。家の中でトランポリン、ブランコ、鉄棒、砂場、自転車、などをさせている家庭も多いです(幸い、インドの家はとても広いところがおおいので)。また、モール室内遊戯場も大活躍となります。

②衛生面

インドというと『くさい・きたない』というイメージをお持ちの方は多いのではないかと思います。確かに人々の公衆衛生の意識はまだまだ低いです。ただ、日本も少し前、戦前や戦後直後は同じような状態だったのではないかと思います。「ごみを道端に捨てない」「道端で用を足さない」「飼い犬のフンは飼い主が拾って持ち帰る」、そして「郊外に立派なごみ処理場が整備されている」今の日本では当たり前のことがまだまだインドの社会には浸透していません。(→『街並み紹介』参照)

日本と比べれば、確かにいろいろな不便や努力は必要ですが、それぞれの家庭で高機能の浄水機を設置し安全な水を確保する、蚊などの害虫の対策を万全にとる、必要な予防接種を確実に受けるなど、最低限のことに気をつければ、生後間もない小さな赤ちゃんからでも、安心して安全な生活を送ることができます。

 

③ハウススタッフ

インド駐在中の日本人家庭は現地のインド人を雇い、ハウススタッフとして働いてもらうのが一般的です。これはインド人の雇用を促すため、インドという国に住まわせていただいている一外国人としてささやかなインドの社会貢献につながっています。我が家の場合はドライバー、ヘルパー、スウィーパー、チョキダール(門番)2人の5人を雇っていました。

インドという異国の地で私たち家族だけの生活はありえなかったと思います。ハウススタッフにささえれられて、安心、安全に生活できています。もちろん、それに関するトラブルもありますが・・・・。これもまたインドという社会、人を雇うということを深く考えさせられたいい勉強になりました。

小さなお子さんを持つ家庭は、さらにベビーシッターさんを雇う方も多いです。家事、掃除をやってくれる人がいる。車での移動も子どもの隣に座っていることができる。さらに子どもの世話を手伝うシッターさんも雇うのは何の贅沢でもない社会です。私は子どもが小さい時期にインドで過ごすことができて、逆に幸せだったなあと思います。子どもたちとどっぷり過ごす時間ができました。

④インド人は子ども好き

インド人は子どもにやさしい

インドの社会は大変子どもに温かいです。幼い子供を連れていると、誰もが温かいまなざしで見守ってくれ、よく声をかけてくれます。子どもを抱っこしていたらサッと、ドアを開けてくれたり、レストランで食事をしていると、誰かかれかが、うろうろしている子どもたちの相手をしていてくれます。ホントに誰もかれもがというぐらいみんなが子ども好きです。スマホでぱちゃぱちゃ写真をとられることも多いですが(気になれば、ここははっきりNO!!!と)「今日、こんなかわいい子に会ったんだよ!!」と単純に喜びの感情からくる行為のようです。(→『インド人は写真好き』参照)

一時帰国の度に、成田から公共交通機関を乗り継いで我が家に帰るまでの道のり、我が子の動きが気になって仕方がなく、周りの人の目が気になって息苦しく感じるのは、いかにインドの社会が子どもに優しいのかという証拠なのかなあと思います。